すぎやまの日々

鉄道&Eスポーツライターの日常とか。

藤原伊織さん死去

ハードボイルド、ミステリー作家の藤原伊織さんが本日午前に亡くなりました。
朝日新聞
テロリストのパラソル、シリウスの道が良かった。もっともっと読みたいと思いましたが、還暦直前になくなってしまいました。現代日本を書く数少ないハードボイルド作家のひとりでした。残念です。

シリウスの道

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白夜行


白夜行

白夜行

集英社


 

被害者の少年と容疑者の娘。その秘密に近づいた者は殺される。二人が巧みに操る運命の糸により翻弄される人々。一気に読ませる長編ミステリー。

びっくりした。怖かった。こんな人が回りにいたらどうしよう。いや、もしかしたら居たかもしれない。あの時の不幸は誰かが仕組んだことかもしれない。そう思わせるほどの新しい恐怖体験です。この小説ですごいところは、主人公であるはずの二人の心理描写がないんです。すべて第三者の視点で語られ、二人の見えない糸が結ばれている。だから先のストーリーが気になって仕方ない。
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あいべつりく

愛別離苦(あいべつりく) 愛する者と別れる苦しみ。仏教の「四苦八苦」のひとつ……だそうです。
先日、デジタルハリウッドの映像作品コンテストを取材したんですが、実は、もっとも感動した作品はその年の作品ではなくて、開催時間待ちで流れていた去年のこの作品でした。
20070415x.jpg
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ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT



液晶ディスプレイで観る映画として借りてきました。

高校生の主人公は普通の少年。しかし、クルマに乗ると問題児。乱暴な走りで周囲に迷惑をかけて退学を繰り返す。扱いに困った母親は、別れた夫に子供を預けることにした。夫は海軍に所属し日本で暮らしている。父親は息子に「クルマに乗るな」と厳命するが、少年は早くも日本の走り屋たちのグループ入り浸っていく……。

ロケ地が日本で、新宿や渋谷の雑踏をクルマが駆け抜けるという思い切った演出で話題となった作品。その場面が観たいだけで借りてきたわけで(笑)。ストーリーは期待していなかったけど、その逆期待通りの陳腐な物語。少年が裏社会の遊び場に入り、友情や裏切り、親友の死を乗り越えて、憧れの女とリーダーの立場を勝ち取っていくという話。日本でいうと首都高速トライアルとか、湾岸ミッドナイトの世界ですね。Vシネマにちょうどいい。主題は"走り"で、そのための動機となる話がくっついていればいいや、という感じ。
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Where Are You?

Your third grade
teacher said
you had a problem
with math.
You gave up on
math, and you forever
eliminated two-thirds
of the jobs
available in
this world.
Somebody
decided the
Navy needed a cook.
After your
hitch. you opened
a restaurant.
Mother was a nurse.
Now you are.
Why are you
where you are?
Because you want
to be there?
Think about it.
Maybe you
ought to be
somewhere else.
Maybe it's
not too late
to figure out
where, and how
to get there.
 
 
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常識を疑え!


鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町

鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町

吉川弘文館
 鉄路の真実はここにある。



皆さんは学校でこんなことを学びませんでしたか?

「明治政府は近代化を進めるために全国に鉄道を敷設しました。しかし、農村では機関車から出る火の粉や灰や煙がが作物に良くない」と反対され、宿場町では「駅ができると歩行する旅人が減って商売にならなくなる」と反対されました。その結果、鉄道は予定とは違い、街から離れた場所に作られました。

品川駅は港区にある。目黒駅は品川区にある。どちらも地元の反対でえきの場所が予定とは違う場所に作られたため。

僕もこの説を信じていました。そういう記事を鉄道ネタで書いたかもしれない。ところがこの説、事実ではなかったのです。

うきゃー! 全国の鉄道ファンや歴史学者たちが騒然としました。
うーん、言わば、鉄道趣味界の「ダ・ビンチコード」です。
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寺尾聡


Reflections

Reflections

東芝EMI
やっぱりいいよ寺尾聡。



一日中、音楽を聴いてゲームやってました。うらやましいですか? でも仕事ですからねコレ。ゲーマー用ヘッドホンを試聴しました。一曲ごとにヘッドホンジャックを抜き差しして聴き比べ。音の違いを探すのです。ええ。結局よく判らないな。確かに音質は違うんだけどね。結局、高いヘッドホンはいい音出すよね、という結論で。

いろいろな曲で試したんだけど、寺尾聡のReflectionsが懐かしかった。低音の魅力って感じで選びましたよ。懐かしいなあ。俺、中学の時ですよ。
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化生の海


化生の海

化生の海

新潮社
北海道、北陸、九州……北前船が結ぶ血脈!



娘の学資を得るために外出したのち、日本海で遺体となって発見された父。それから5年、浅見は捜査の進捗に失望する母娘を訪ね、捜査をはじめた。余市から松前に向かった被害者が、なぜ加賀で発見されたのか。捜査線上に浮かんだ北前船ルートを追って、浅見は北海道、北陸、下関、福岡へ。一体の人形が導く真相は、化生の海に眠っている……。
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容疑者Xの献身


容疑者Xの献身

容疑者Xの献身

文藝春秋
探偵は物理学者、犯人は数学者。動機は愛。



友人の薦めで東野圭吾氏の小説を読み始めました。短編の推理小説集『探偵ガリレオ』と『予知夢』。刑事の草薙が怪奇現象が絡む難事件に遭遇し、親友であり大学の物理助教授の湯川がその謎を科学的に解いていく、という話。突然人の髪が燃え上がる事件、本物の死体から作られたアルミのデスマスクなど、奇怪な事件をビシッと解決してくれます。その草薙と湯川のコンビが挑む殺人事件。探偵ガリレオシリーズ初の長編です。
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シリウスの道


シリウスの道〈上〉

シリウスの道〈上〉

文藝春秋
広告業界を舞台に一気に読ませるハードボイルド



広告代理店の営業職、辰村。第一線で活躍する彼の心の奥に、封印しておきたい過去があった。それは幼なじみの少女を守るために、親友と企てた事件だった。それから25年、秘密にしていた過去を暴く脅迫状が届く。それも、クライアントのキーマンの元に……。
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BACKDANCERS

20060912.jpg
ただ楽しく踊りたかった。それなのに、踊りに行く→不良、ダンサー→ステージのおまけ。そんな芸能界に飛び込んだ4人のダンサーたちが、ボーカルの引退で居場所を失う。そして、自分たちのポジションを探しながら成長していく。コメディタッチのサクセスストーリー。

アイドル映画ですよ。陳腐なストーリーと浅い演出で、とりあえずファンの子たちがDVDを買ってくれたら儲かるんじゃないの? なーんていう映画ですから……と思っていました。しかし、意外にも面白かったです。ごめんなさい。私、ダンス映画を舐めてました。
 
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しまなみ幻想


しまなみ幻想

しまなみ幻想

光文社
事件を追う光彦。亡き母の遺志を継ぐ少女。瀬戸内に眠る衝撃の真実とは!



母はあの橋に殺された−−。しまなみ海道の橋をフェリーから見上げる少女。母の自殺に疑問を持った少女は、ピアノの先生の友人浅見光彦に出会う。この風変わりなおじさんは、趣味で母の死の真相を調べ始めた。それを不快に感じつつも、やがて浅見の正義感に惹かれていく。青い海と緑の島が連なる瀬戸内海を舞台に、ミステリーは静かに幕を開けた。


愛媛県知事からの執筆要請という良い機会を得て書かれた作品です。その経緯から、宣伝臭が強すぎるという批判もあるようです。たしかに、美しい風景、快適な宿、うまい飯というツボを押さえてあり、そのまま2時間ドラマになりそう。しかし、全体的にゆったりとストーリーが進み、解決部分で一気に解決へ向かう展開は見事。ラストもしっかり泣かせてくれました。

私もこの春に四国を旅して、今治についてもちょっとは書きましたが、ここまで詳しい描写はできませんでした。細かい取材が行き届いています。良い旅をしたな、という読後感でした。
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UDON

「ここにあるのはうどんだけ。夢がない」と、実家のうどん屋を飛び出したものの、ニューヨークで挫折した主人公、松井香助。しょんぼりと実家に帰った香助に、父は厳しく当たる。香助は友人にタウン誌のアルバイトを紹介してもらった。そこで、地元では当たり前の食べ物「うどん」にスポットライトを当てようと奮闘する。


東京にも飛び火したうどんブーム。それが成功し、収束するまでの狂想曲と、香助自身の再生、実家のうどん屋の再生を重ねた物語。1本で3つのサクセスストーリーを楽しめるお得な作品でした。途中、飛躍しすぎな場面もありますが、それがちゃんと伏線になっている。もっとこうすればいいのに、という感想はなくて、素直に楽しめました。うどんにひっかけて「喉ごしの良い映画」と評しておきます。

[UDON公式サイト]
以下、ネタバレありますので気をつけて。
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鉄子の旅


鉄子の旅 (1)

鉄子の旅 (1)

小学館
「鉄道好き」の楽しさが判りやすく描かれる(笑)。



日本の鉄道の全駅に下車した旅行ライターの横見氏と、ひょんなことから共に旅をすることになった女性漫画家菊池さんの旅を描く。嬉々として旅を続ける鉄道ファンと、鉄道の魅力が判らないまま、横見氏の人物描写に面白みを見いだそうとする漫画家の弥次喜多道中記です。
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贄門島


贄門島〈上〉

贄門島〈上〉

文藝春秋
横溝正史的な新境地。映画化希望。


内田康夫さんの浅見光彦シリーズ。探偵小説の寅さん的存在で、マンネリなんだけど新しい。さて、今回は今までの浅見光彦シリーズとは異なる雰囲気を持っています。まず、タイトルになっている島が実在していないこと。もちろん小説の中では存在しているわけですが、島ひとつ、村ひとつが地域から独立していて、島ぐるみで秘密を持っている。浅見は事件を追ううちにその秘密に迫っていき、島の人々から嫌われてしまいます。
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日本沈没

    ↓今日の夕陽。
20060808.jpg
君は愛する人のために命を捨てられるか、という草なぎ君役のテーマと、国家を任されたものとして、責務を全うするとはどういうことか、という大地真央さん役のテーマを立てて、マクロとミクロの視点で日本の崩壊を描く。

このふたつのテーマに関して言えば、そつなく作ってあるしちゃんと泣ける。日本が壊れていくシーンも迫力がある。でも、ちょっと物足りなかったな。

以下ネタバレあるかも。
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煤煙


煤煙

煤煙

講談社



三国志や水滸伝など、歴史文学に手を広げている北方謙三さん。現代物はやめちゃったと思ったら、そうでもないみたい。というわけで文庫の新刊です。
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浅見光彦のライバル、宮之原警部?

だいぶ前に買ったまま積み上げていた『襟裳岬殺人事件』を読了しました。この本はタイトルに惹かれた"ジャケ買い"。

旅行者が襟裳岬で女性の絞殺死体を発見したところから物語が始まります。同時に離れた場所で男性の服毒死体が発見され、そこに女性のバッグがあることから、心中事件で処理されるはずが、壮大な政界スキャンダルに発展する。定番の展開で、2時間ドラマ的に楽しめるエンタテイメント作品でした。
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Ruppina

去年から気に入ってる曲がRuppinaのviolet flowです。試聴はこちらせつない歌詞ですが、この歌を聴いているといろいろなストーリーが思い浮かびます。この曲はどんなドラマや映画のラストシーンに似合うかな、なんて考えています。
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ダビンチ・コード

キリスト教を批判し、神を冒涜するとして物議を醸している映画『ダビンチ・コード』を観ました。宗教云々はともかくとして、エンタテイメント作品として面白かったです。2時間半以上という長時間の作品ですが、途中でダレることなくスクリーンに引き込まれました。

その一方で、こういう宗教の扱い方はまずいんじゃないかなあ、と思い、そして今は"エンターテイメントの力ってすごいな"、と思った。有り体に言えば"フクザツな気持ち"ってヤツですね。

以下、ネタバレ含むかも。
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