化生の海
娘の学資を得るために外出したのち、日本海で遺体となって発見された父。それから5年、浅見は捜査の進捗に失望する母娘を訪ね、捜査をはじめた。余市から松前に向かった被害者が、なぜ加賀で発見されたのか。捜査線上に浮かんだ北前船ルートを追って、浅見は北海道、北陸、下関、福岡へ。一体の人形が導く真相は、化生の海に眠っている……。
贄門島、しまなみ幻想に続くスケールの大きな作品です。浅見シリーズの面白さは、歴史の点と地理の点が、はじめはバラバラなのに、だんだん繋がっていくところ。今回はニッカウィスキーの本社がある北海道・余市と石川県・加賀市、そして福岡、下関が一体の人形によって繋がっていきます。親が子を思う気持ち、子が親を慕う気持ち。それらを切り裂き、再び結び付けようとする時に悲劇は起こりました。読み応えがありました。すでにドラマ化されたようですが、スピーディな展開で面白かったんじゃないかなあ。
ちなみに、重要な場所のひとつに津屋崎が登場していてビックリしました。僕も去年の秋に訪れたところです。穏やかな砂浜でしたが、あそこが北前船で活気付いていたとは知りませんでした。最近、浅見さんと旅先が重なります。もっとも浅見は紀行ライターだし、こっちも汽車旅ライターをやってるから、重なる場所もだんだん増えてくるでしょう。
ちなみに、重要な場所のひとつに津屋崎が登場していてビックリしました。僕も去年の秋に訪れたところです。穏やかな砂浜でしたが、あそこが北前船で活気付いていたとは知りませんでした。最近、浅見さんと旅先が重なります。もっとも浅見は紀行ライターだし、こっちも汽車旅ライターをやってるから、重なる場所もだんだん増えてくるでしょう。
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