ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT
液晶ディスプレイで観る映画として借りてきました。
高校生の主人公は普通の少年。しかし、クルマに乗ると問題児。乱暴な走りで周囲に迷惑をかけて退学を繰り返す。扱いに困った母親は、別れた夫に子供を預けることにした。夫は海軍に所属し日本で暮らしている。父親は息子に「クルマに乗るな」と厳命するが、少年は早くも日本の走り屋たちのグループ入り浸っていく……。
ロケ地が日本で、新宿や渋谷の雑踏をクルマが駆け抜けるという思い切った演出で話題となった作品。その場面が観たいだけで借りてきたわけで(笑)。ストーリーは期待していなかったけど、その逆期待通りの陳腐な物語。少年が裏社会の遊び場に入り、友情や裏切り、親友の死を乗り越えて、憧れの女とリーダーの立場を勝ち取っていくという話。日本でいうと首都高速トライアルとか、湾岸ミッドナイトの世界ですね。Vシネマにちょうどいい。主題は"走り"で、そのための動機となる話がくっついていればいいや、という感じ。
シナリオは期待しなかったけど、夜の都内を走り回るレースシーンは面白かった。渋谷のスクランブル交差点を突っ切る。新宿のガード下を全力疾走。あんなところでドリフト走行させようなんて、よく思いつくなあ。日本人にはこんな大胆な発想は無かったかもしれない。特撮だと判っていてもドキドキします。走り以外のシーンでも、東京の夜の街をずいぶんきれいに撮っている。画作りが日本映画とちょっと違う。なるほど、東京ってアメリカ人が観るとここが面白いのか、なんて発見もあった。
それからドリフト。アメリカ人にはこれがかなり新鮮なテクニックだったらしい。映画全体がドリフトにこだわっている。アメリカのレースはオーバルコース系の大雑把なものが多いし、行動レースもドラッグスタイルなんだろうね。小技を重んじる日本とは好対照です。だから初めてドリフトを見てビックリしたんだろうね。
ゲスト俳優兼テクニック監修としてドリキン土屋圭一氏も出演。なかなか渋い演技でした。釣りをしながらタイヤのスリップ音を聞いただけで、「カウンターステアが甘いんだよなあ」ってどんな釣人だ(笑)。
アメリカの走り屋にとって、日本とはドリフトの国なんです。きっとこの監督はドリフトを撮りたかっただけなんだ。でも、ドリフトって大胆かつ繊細なワザなのに、やっぱり描写は大雑把(笑)。さすがアメリカ映画。
COMMENTS