9月28日を3500円カツカレーの日にしよう。
昨日は私のツイッターもカツカレーという言葉がちらほら。
「自民党新総裁の安倍さんほか総裁選候補者が、総裁選の日のランチにホテルで3500円のカツカレーを食べていた。ほらみろまだ庶民感覚とズレている」とワイドショーが報じたけど、これに対してネットでは大反発。「そこしか叩くところないのか」「オレもカツカレー食べたい」「難病の大腸炎からカツカレーを食べられるまでになったなんてスゴイ」など。
もうさ、ホテルのレストランも街の大衆食堂もコンビニ弁当も何でもいいから、3500円のカレーを作って「安倍カレー」ブランドで売り出せばいいよ。今まで500円とか1000円とかで勝負してた店が、3500円でお客さんを納得させる競争ですよ。
これすごく夢がありますね。なにしろ今はとにかく安くなきゃだめ、多くなきゃだめみたいな雰囲気でしょう。原価率との戦いなわけ。料理人はストレスたまってんの。原価なんか気にしないで旨いカツカレーを作りたくて仕方ないわけ。日曜日にお父さんが家計簿を省みず豪華なカレーを作っちゃってお母さんと険悪、みたいなことを料理人だってやってみたいって。
だから3500円カレーは料理人のモチベーションあがるし、食べる方も「今日はオレ頑張ったから3500円カレー食べよう!」 とか、「疲れたけどもうちょっと、3500円カレー分だけ頑張って働こう」とか。「最近あいつ元気ないから3500円カレー食わせようか」とか。なんかみんながんばるんじゃねーの? 不景気吹っ飛ぶんじゃねーの? 退院したら3500円カレー食うぞ、とかさ。入院患者の励みになったりして。みんな元気になるよ。
いいじゃない。カツカレーが3500円でなにが悪いんだ。みんなさ、今までカツカレーを卑下しすぎ。じゃあさ、9月28日をカツカレーの日にしようぜ。その日だけはみんなカレー屋に並ぼう。そんで3500円のカツカレーだよ。土用の丑の日に3500円の鰻重を食べるみたいに、9月28日はカツカレーの日みたいな。
一流のホテルの3500円カツカレーはふだんどおりだね。原価率はほかの料理と変わらないでしょう。一流ホテルやセレブ御用達レストランとかはさ、空間や立地のコストもかかってるわけ。今まで3500円だった店は変えようがない。
でもCoCo壱番屋とか帯広のインデアンカレーとか祐天寺のナイヤガラとかのカレー専門店は本気出すよ。凄いよ。原価率あげちゃうね。カツもアワビとか伊勢エビのカツだったりして。インデアンカレーなんかもう北海道の最高級のワイン入れて、最高級のチーズなんかトッピングしてさ。ナイヤガラだって、いつもよりたくさん汽車を走らせる大サービス。中華料理屋も便乗してカツカレー出すけど、どこに3500円の価値を落とし込むかわかんないから、とりあえずチャイナドレスのオネーチャンが二人、両側からバブル期のディスコのお立ち台みたいに派手な扇で扇いで汗とばしてくれる感じでもOK。
でも、そんな風潮に待ったをかける店もあるわけ。3500円のカツカレーなんかぼったくりだ、なんていう店は、普段のカツカレーを3500円で出すね。風刺の意味で。誰も食べない。その方がいいの。ぼったくりの証明になるから。
あと、見た目はふつうのカレーだけど、食べたらびっくりな旨さになる店は美食倶楽部。もうね、まず米選びから始まるから。米粒を全部点検して、同じ大きさの米粒で炊いちゃう。そこから。これに山岡士郎はどう対抗するかっていうと、和と印の調和。これ。つまりダシは最高級の利尻昆布を取り寄せ。もちろん穴があいてるやつ。旨い昆布はウニが知っている、みたいな。カレー粉も最高級品。
そこで海原雄山が「フフフ、士郎、お前はまだわからんのか」とかいって、スパイスも具もインド直送。もちろん水もインド。ガンジス川の源泉からとってきちゃうから。雄山のこだわりハンパない。インドへの敬意と愛に満ちてる。じゃあなんでナンじゃないんだ、とか、インドに豚カツあんのか、なんて言えない雰囲気。
そうやって俺たちは3500円カレーの旨さをしり、9月28日はカツカレーの日という文化を手に入れる。そこで初めて気づくね。俺たちは3500円出すとこんなに旨いカツカレーを食えるのに、安倍さんのカツカレーってあんまり旨そうじゃねぇなって。なんか安倍さん気の毒。安倍さん頑張れ。
まあそんな騒ぎの中でも、きっといつものカツカレー(写真)をいつもの値段で出してくれそうな蒲田のキッチンすみっこが俺は好きです。
「自民党新総裁の安倍さんほか総裁選候補者が、総裁選の日のランチにホテルで3500円のカツカレーを食べていた。ほらみろまだ庶民感覚とズレている」とワイドショーが報じたけど、これに対してネットでは大反発。「そこしか叩くところないのか」「オレもカツカレー食べたい」「難病の大腸炎からカツカレーを食べられるまでになったなんてスゴイ」など。
もうさ、ホテルのレストランも街の大衆食堂もコンビニ弁当も何でもいいから、3500円のカレーを作って「安倍カレー」ブランドで売り出せばいいよ。今まで500円とか1000円とかで勝負してた店が、3500円でお客さんを納得させる競争ですよ。
これすごく夢がありますね。なにしろ今はとにかく安くなきゃだめ、多くなきゃだめみたいな雰囲気でしょう。原価率との戦いなわけ。料理人はストレスたまってんの。原価なんか気にしないで旨いカツカレーを作りたくて仕方ないわけ。日曜日にお父さんが家計簿を省みず豪華なカレーを作っちゃってお母さんと険悪、みたいなことを料理人だってやってみたいって。
だから3500円カレーは料理人のモチベーションあがるし、食べる方も「今日はオレ頑張ったから3500円カレー食べよう!」 とか、「疲れたけどもうちょっと、3500円カレー分だけ頑張って働こう」とか。「最近あいつ元気ないから3500円カレー食わせようか」とか。なんかみんながんばるんじゃねーの? 不景気吹っ飛ぶんじゃねーの? 退院したら3500円カレー食うぞ、とかさ。入院患者の励みになったりして。みんな元気になるよ。
いいじゃない。カツカレーが3500円でなにが悪いんだ。みんなさ、今までカツカレーを卑下しすぎ。じゃあさ、9月28日をカツカレーの日にしようぜ。その日だけはみんなカレー屋に並ぼう。そんで3500円のカツカレーだよ。土用の丑の日に3500円の鰻重を食べるみたいに、9月28日はカツカレーの日みたいな。
一流のホテルの3500円カツカレーはふだんどおりだね。原価率はほかの料理と変わらないでしょう。一流ホテルやセレブ御用達レストランとかはさ、空間や立地のコストもかかってるわけ。今まで3500円だった店は変えようがない。
でもCoCo壱番屋とか帯広のインデアンカレーとか祐天寺のナイヤガラとかのカレー専門店は本気出すよ。凄いよ。原価率あげちゃうね。カツもアワビとか伊勢エビのカツだったりして。インデアンカレーなんかもう北海道の最高級のワイン入れて、最高級のチーズなんかトッピングしてさ。ナイヤガラだって、いつもよりたくさん汽車を走らせる大サービス。中華料理屋も便乗してカツカレー出すけど、どこに3500円の価値を落とし込むかわかんないから、とりあえずチャイナドレスのオネーチャンが二人、両側からバブル期のディスコのお立ち台みたいに派手な扇で扇いで汗とばしてくれる感じでもOK。
でも、そんな風潮に待ったをかける店もあるわけ。3500円のカツカレーなんかぼったくりだ、なんていう店は、普段のカツカレーを3500円で出すね。風刺の意味で。誰も食べない。その方がいいの。ぼったくりの証明になるから。
あと、見た目はふつうのカレーだけど、食べたらびっくりな旨さになる店は美食倶楽部。もうね、まず米選びから始まるから。米粒を全部点検して、同じ大きさの米粒で炊いちゃう。そこから。これに山岡士郎はどう対抗するかっていうと、和と印の調和。これ。つまりダシは最高級の利尻昆布を取り寄せ。もちろん穴があいてるやつ。旨い昆布はウニが知っている、みたいな。カレー粉も最高級品。
そこで海原雄山が「フフフ、士郎、お前はまだわからんのか」とかいって、スパイスも具もインド直送。もちろん水もインド。ガンジス川の源泉からとってきちゃうから。雄山のこだわりハンパない。インドへの敬意と愛に満ちてる。じゃあなんでナンじゃないんだ、とか、インドに豚カツあんのか、なんて言えない雰囲気。
そうやって俺たちは3500円カレーの旨さをしり、9月28日はカツカレーの日という文化を手に入れる。そこで初めて気づくね。俺たちは3500円出すとこんなに旨いカツカレーを食えるのに、安倍さんのカツカレーってあんまり旨そうじゃねぇなって。なんか安倍さん気の毒。安倍さん頑張れ。
まあそんな騒ぎの中でも、きっといつものカツカレー(写真)をいつもの値段で出してくれそうな蒲田のキッチンすみっこが俺は好きです。