孤高の人
単独行で後世に名を残した登山家、加藤文太郎。その短い登山人生を、本人の手記のもとで小説とした作品。新田次郎の代表作です。
実際の人だし本人の手記もあるから、登山の場面は迫力があります。寒さや飢え、疲労、睡魔との戦いは、読んで没入すると自分も遭難しそうな迫力。彼の周りの人物もキャラが立ってます。
加藤文太郎がなぜ単独行動を好んだか。孤独の気楽さを選択する一方、どうにも人恋しくなるという心理。一人旅ばかりの私にはよくわかります。まあ、登山に比べて汽車旅は安全すぎて、比べるなんて失礼ですけど(笑)。
初めて新田次郎作品を読みました。引き込まれました。1ページを越える段落を一気に読ませます。すごい。他の作品も読んでみよう。
孤高の人を原作とした現代版コミックもあります。実は、小説もコミックも週末の仕事仲間が貸してくれました。本を勧めてくれる友人っていいね。感謝。