Kitano par Kitano 北野武による「たけし」
貧しい子供時代を過ごした俺にとって
困っている人を助けるって当然のことなのね。
映画監督としてヨーロッパで高く評価された北野武のロングインタビュー。フランス人ジャーナリストがフランス人に向けて書いた本だから、内容のほとんどは日本人にとって既出。北野武について報道された内容について、名誉も不名誉も含め、北野武自身が心境を語るという内容だ。だから一見、彼が日本で応じた数々のインタビュー記事の再録に見える。しかし、どれもフランスの人々には耳新しいことだから、そのぶんたけしの説明は丁寧だ。また、政治、歴史、国際的見識など、日本のインタビューではなかなか触れられない内容もあって興味深い。このフランス人ジャーナリストは、たけしの考えていることすべてを聞き出している。たけしに語ってほしい事柄について、日本人とフランス人とでは温度差があるということだろう。