煙草
テーブルの上に煙草があった。
緑色の箱。メントール系の軽い奴だ。週末に友人達が遊びに来て、そのうちの誰かが忘れていったらしい。私はそれをそのままテーブルに置いておいた。持ち主が取りに来れば返せばいいし、持ち主も次に遊びに来たときまで預けておくつもりだろう。忘れたふりをして、ひとりで来る女、というわけでもなさそうだ。もっとも、私は煙草を吸う女に惚れることはない。
緑色の箱。メントール系の軽い奴だ。週末に友人達が遊びに来て、そのうちの誰かが忘れていったらしい。私はそれをそのままテーブルに置いておいた。持ち主が取りに来れば返せばいいし、持ち主も次に遊びに来たときまで預けておくつもりだろう。忘れたふりをして、ひとりで来る女、というわけでもなさそうだ。もっとも、私は煙草を吸う女に惚れることはない。
![【小説幻冬 2017年 05 月号 [雑誌]】…](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/41gtq0lpHdL._SL160_.jpg)


















