亀田製菓が農心という韓国の食品会社と提携した、というニュース。ネット上で批判が高まっています。嫌韓ブームの流れ……というだけではなくて、そのメーカーが異物混入や日本製品のコピーなどで問題を起こしているから。亀田のあられおせんべいは国民食といってもいいくらいのブランドで、それだけにがっかりする声も大きいようで。
亀田といえば柿の種……だけど、柿の種の元祖は浪花屋。亀田はむしろ柿ピーの元祖です。でも柿の種も柿ピーも類似品が多いよね。代替品が多いと不買運動に対抗しづらいね。私もずるい人間だから、同じような物が並んでいたら別のメーカーにしちゃいそう。
なんとなくおせんべいをネットで眺めて、そういえば『名作』を見かけないな、と思った。濃い醤油味の堅いおせんべいなんですけどね。私のイチオシ……あれが亀田だったらツライぞ……と思ったら、『名作』って、もう売ってないそうです。製造元の新野製菓が2010年に廃業しちゃったそうで。うわー残念! もう名作は食べられないんだ……。
名作に似たおせんべいって他にあるのかな、とネットを探しつつ、頭の中が醤油せんべいでいっぱい。週末の仕事場のあるビルの自販機でこのおせんべいを見つけました。栗山米菓の『なぎさあられ』。うん、これは名作に近い味かな。栗山米菓は『ばかうけ』のメーカーです。
でも本当は『名作』を復活させてほしい。誰が権利を持っているんでしょうねぇ。栗山さんで復活させてくれないかな。
米菓業界を検索したら、にちゃんねるに岩塚製菓と台湾メーカーのいい話が出てきた。
30年ほど前、経営危機に陥っていた台湾の宜蘭食品工業の董事長(社長)は、
起死回生のために岩塚製菓に技術供与を願い出た。
岩塚側は当然拒否。
しかし宜蘭側は礼を尽くして粘り強く要請したので岩塚側もこれを受け入れた。
結果、宜蘭は超V字回復。
話はここからだ。
宜蘭は技術もらってハイ終わりなんてことはしなかった。
台湾でもトップクラスの菓子メーカーとなった宜蘭は、中国本土への進出を図る。
その時、大恩人である岩塚に共同出資の話を持ってきた。
宜蘭の誠実な姿勢を評価していた岩塚は、積極的にこれを受け入れた。
宜蘭と岩塚が共同出資して中国本土進出のために作った企業は旺旺(ワンワン)という。
宜蘭の中国進出ノウハウと、岩塚の製菓技術をもった旺旺は、瞬く間に中国本土で急成長した。
今では旺旺グループとして中国本土で大きなシェアを握る巨大食品グループとなった。
旺旺が販売している菓子には今でも岩塚製菓の文字がある。
これだけの大成功を収めても、さすがは台湾人、恩は決して忘れない。
董事長は上海に旺旺本部ビルを新築した際、岩塚の槙社長と家族を招き、
居並ぶグループ幹部や取引先関係者に、岩塚が大恩人であることと、
30年前に技術供与を承諾してくれた当時の岩塚製菓社長、槙計作を「旺旺の父」として称えたのだった。
そして槙計作の銅像が除幕された。董事長は自分の銅像ではなく、恩人である槙計作の銅像を本部に据えたのである。
そこには、槙計作や岩塚製菓との友情の歴史を記した銘板もある。
以上のことは旺旺グループHPにも、英語・中国語・日本語で記してある。
http://www.want-want.net/jp/culture/show.asp?id=499&classid=12
提携先の
旺旺グループの社長インタビューも興味深い。
岩塚製菓のWebサイトを見ると、
品川女子学院とのコラボなんてやってますね。意外なところで私の地元とつながった。京急電鉄の車窓から学校が見えるよ。これからは品川女子学院=おしゃれな制服、じゃなくて、品川女子学院=おせんべいを連想しそう。
おせんべい、奥が深いですねぇ……。
それにしても名作食べたい。
食べ始めてからしばらくは『君作』だと思ってたなんて内緒。