晩飯はこれを食べました。詳しくは後半から。
春一番より強い風が吹いて、てる坊の耳がひっくり返ってる。
青函トンネル竜飛作業所の副所長さんのお話を伺いました。4時間半。たっぷり教えていただきました。ありがとうございます。土木、建築に携わる人は、政治家よりお役人より、日本の将来を案じていらっしゃるんだなあと。
書いていい話とダメそうな話とあって、とりあえず心の貯金箱へ。
帰りに東京駅を通ったんですけどね。駅弁屋祭があるわけですよ。くそっ、素通りできない……。しかし閉店間際で在庫が少ない。
り、りんごで弁当ですか……。
うーん、これは手を出すには勇気がいるなあ(笑) りんごりんごって重ねちゃうところに「リンゴだらけですよ覚悟しろよ」という気迫すら感じる。フルーツで弁当だなんて。しかしネタにはなるよなあ。食べてみるか……。いちおう、国技館焼き鳥を買って保険と言うことで。
それにしても青森の人はリンゴを推してくるな。弘南鉄道の弘前中央駅の中のラーメン屋さんで食べたリンゴラーメンを思い出す。
Webコラムマガジン「のらり」■新・汽車旅日記〜平成ニッポン、いい日々旅立ち 第402回:弘前名物りんごラーメン 弘前駅-中央弘前駅 -
開けましたぞ。すごい。ぜんぶリンゴが絡んでる。
左から、
リンゴ酢のちらし寿司 上に姫リンゴの甘露煮が載ってる。
真ん中の器の左はリンゴのきんぴら。右は焼きリンゴと豚ロースを重ねたカツレツ。
厚焼き玉子もリンゴ入り。ミートボールもリンゴ入り。右下の白い玉三つは、左二つがリンゴ入りえびしんじょう、右がゆで卵のリンゴ酢漬け。
左から食べましょうかね……。
ちらし寿司は酢飯だけど、たしかにリンゴの香りがある。でも香りだけで甘みはないから、これは食事として美味しい。食用菊も苦みがなくて良し。姫リンゴの甘露煮は甘くてリンゴの香りも強い。酸味があるから、爽やかな後味。でもこれデザートだったわー。先に食べちゃった。右端の白いヤツがリンゴムースだと思ったんだよね。あれはゆで卵。油断した。
リンゴのきんぴら。こじつけっぽいなあと思ったけど、これを作った人は賢い。食感としては切り干し大根です。くにゅっとしてるんだけど、最後にサクッとくる。きんぴらってもともと甘みがあるから、砂糖なしでリンゴの甘みを活かしたね。
リンゴと豚のミルフィーユカツ。これはカツにしてはさすがに甘みがある。でも豚肉の風味は負けてない。塩気もガーリックも利いていた。ちゃんとおかず。ちなみにソースも醤油も付いていない。衣に味がちゃんと付いてた。ソースをかけたらリンゴ風味が消えて台無しだったろうな。ソースダメ。このままでオッケー。
だし巻き玉子はリンゴ風味が薄い。かなり普通のだし巻き玉子。甘みはすりおろしリンゴ由来だと思うけれど、香りは薄く、玉子とだしの風味が勝つ。良い。そういえば、リンゴラーメンもリンゴをすり込んだ麺だったけど、醤油スープで普通のラーメンになってたな。
リンゴと鶏肉のミートボールも肉味が勝る。うまい。醤油を利かせてる。醤油はリンゴの香りを和らげるかも。ただ、ここはリンゴの角切りを混ぜてくれたら楽しかったかも。つくねにゴボウやレンコンを入れてシャキッとさせるみたいにさ。でもリンゴの果肉は熱で柔らかくなっちゃうのかな。もしかしたら、そんな風に入っていたかもしれない。
だし巻き玉子の上に載ってたスライスリンゴは焼きリンゴ。ちょっと漬物っぽく見えるけど、この中でもっともリンゴらしい味がした(笑)。リンゴラーメンでチャーシューのフリしたリンゴみたいだ。
ゆで卵のリンゴ酢漬けは、ほんのり甘酸っぱく、ちょっと甘い。口に入れるまではリンゴを食べる感覚だったけど、噛むと白身の弾力の向こうから、力強い黄身の濃い風味がやってくる。リンゴの皮を被った玉子の生命感。リンゴのへたみたいなやつはなんだったんだ。リンゴのふりをしたけどすべっちゃったよ。恥ずかしいやつだ。
えびしんじょうは甘酢漬けのリンゴの皮にくるまってる。
味はどうだい?
「はふはふはふ、ペロッ、くーんくーん、ワン!」
おいしいらしいです。私は海老が苦手なので、てる坊が食べました。
ものすごく工夫してあって、ちゃんとおかずとご飯になってた。見事。
リンゴのために知恵を絞り、この手間と品数で1000円はなっとくだ。
「ネタ弁当だから笑って許そう」と思ったのに、おいしかったンゴ。
騙されたと思って食べてみろ、と友達にすすめたい。第一印象で笑ったことを後悔するくらいまともな弁当だ。