向谷さん大サービス
今日の取材はIT系なんだけど鉄道ネタ。トレインシミュレータでお馴染みの向谷実さんが富士通と組んで業務用トレインシミュレータを開発するそうです。
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(タイトルは編集部。うーん、電車でGoはどうかなあ。それタイトーだし。向谷さんはコラボしたこともあるけど、実際はライバルソフトだしw)
サービス精神旺盛な向谷さんは、記者全員に上記CDをプレゼントしてくださいました。ありがとうございます。
今回発表されたシステムの肝は、基幹システムをSaaSと組み合わせて提供することです。SaaSっていうのはプログラムをPCにインストールするのではなくてサーバー上に置きます。で、ユーザーが必要な機能だけをオンラインで呼び出して使います。ちょいと面倒ではありますが、大きなソフトウェアの場合、各自のPCにインストールするとハードディスク容量が勿体ないし、バージョンアップを各自に実行させるなど管理が大変。SaaSにすればサーバー側でアップデートができ、大勢に同時に適用できます。
えーとね、簡単に言うとプロバイダーのブログやレンタルサーバのシステムみたいなもんですね。私のように自分でブログツールをインストールしてる人は自分でやらなくちゃですが、アメーバブログとかココログとかFC2ブログなどのサービスを使っている人は、ユーザーが知らない間にブログツールをバージョンアップして、常に最新の環境で使えるようになっている。レンタルサーバのプログラムもそう。
鉄道シミュレータをSaaSで提供するといっても、運転の風景、つまりハイビジョン映像は大容量なのでオンライン提供には適さず、各端末にブルーレイなどで提供されるそうです。じゃあSaaSの意味があるのかというと、実はこれ、ものすごく野心的なシステムなんですよ。記者発表会では直接は語られませんでしたが、鉄道とSaaSの知識が両方ある人なら解るはず。
例えば京急と都営浅草線と京成のように、3社が相互乗り入れしているとしますね。この3社が独自の訓練シミュレータを使っている場合、おそらく自社の車両と路線しか訓練できません。互換性がないからです。しかし、3社が共通のシステムを使っていると、互いの車両のデータを融通できます。相互乗り入れの場合、運転士は自社の区間のみを担当し、他社の車両も運転しますから、このシステムなら簡単に他社の車両の訓練ができる。これは記事で私が補完しておきましたが。
あるいは、東急グループが縁の深い地方私鉄とこのシステムを共有すると、東急から地方私鉄へ車両を譲渡する場合に、事前に運行シミュレーションができる。しかも訓練結果判定システムなどは各社が富士通の基盤を使うので自社開発の必要が無くコストを下げられる。などなどメリットいっぱい。
でも、記者発表会で質問した某IT系のメディアの記者さんは、「こりってSaaSの必要があるんですか」などと……うわー、なんでわからないんだ!
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