プチ誘拐
いつもの時間にドッグランへ。ただし今日は日曜日なので家族連れが多かった。犬を遊ばせていると、柵の外側で何かを拾っている兄妹がいる。兄は小学4年生、妹は小学1年生。ビニール袋にに溜まっているモノはドングリだった。
ドングリなら、ここよりもたくさん拾えるところがある。野球場と国道の間の小道で、それは私の散歩ルートのひとつだ。今朝もそこを通ってきた。
「もっとたくさん取れる場所を教えてあげようか」と言ったら、ふたりとも喜んでついてきた。
「パパとママに言わなくていいのかい」というと
「だいじょうぶ」と兄が言う。
森の中に似た薄暗い道を歩いていく。兄妹は半信半疑の様子だったけれど、やがてドングリポイントに到着。
「すごい!」
「ドングリの絨毯みたい!」
ふたりとも大喜びで、ひとりずつ持っていた小さなビニール袋がいっぱいになるまで拾い続けた。ドングリは妹が小学校の工作の時間に使うのだという。話を聞けば、なんと彼らは私の小学校の後輩だった。
場所を教えたら帰ろうと思ったけれど、拾い終わるまで付き合った。ここは人がいない。一本道だったけど、もしふたりが迷子になったら、私は誘拐置き去り犯になってしまう。本当に悪い大人が来ちゃうかも知れないし、この道をさらに進めば、青いビニールテントのホームレス村もある。
兄はすこし飽きてきたらしかった。しかし妹はやめない。
「持ってこれなかったお友達に分けてあげるの」
ここにあるドングリをすべて拾ってしまうつもりだろうか。たぶんそれには3日くらいかかるけど。
30分ぐらいたっただろうか、袋からドングリがあふれ出したので、それをきっかけにドッグランに戻った。ところが兄妹の両親と犬がいない。兄が走り出す。その先に両親の姿。そのそばに自転車に乗った公園職員たち。いま、まさに兄妹の捜索が始まるところだった。
私は両親に「勝手に連れ出してごめんなさい」とお詫びした。親たちはこどもたちの収穫を見てお礼を言ってくれたけど、そりゃ心配だっただろうな。捜索中に見つけられたら誘拐犯にされたかもしれない。
「勝手について行っちゃダメ」ってあの子たちが怒られたら申し訳ない。
「もっとたくさん取れる場所を教えてあげようか」と言ったら、ふたりとも喜んでついてきた。
「パパとママに言わなくていいのかい」というと
「だいじょうぶ」と兄が言う。
森の中に似た薄暗い道を歩いていく。兄妹は半信半疑の様子だったけれど、やがてドングリポイントに到着。
「すごい!」
「ドングリの絨毯みたい!」
ふたりとも大喜びで、ひとりずつ持っていた小さなビニール袋がいっぱいになるまで拾い続けた。ドングリは妹が小学校の工作の時間に使うのだという。話を聞けば、なんと彼らは私の小学校の後輩だった。
場所を教えたら帰ろうと思ったけれど、拾い終わるまで付き合った。ここは人がいない。一本道だったけど、もしふたりが迷子になったら、私は誘拐置き去り犯になってしまう。本当に悪い大人が来ちゃうかも知れないし、この道をさらに進めば、青いビニールテントのホームレス村もある。
兄はすこし飽きてきたらしかった。しかし妹はやめない。
「持ってこれなかったお友達に分けてあげるの」
ここにあるドングリをすべて拾ってしまうつもりだろうか。たぶんそれには3日くらいかかるけど。
30分ぐらいたっただろうか、袋からドングリがあふれ出したので、それをきっかけにドッグランに戻った。ところが兄妹の両親と犬がいない。兄が走り出す。その先に両親の姿。そのそばに自転車に乗った公園職員たち。いま、まさに兄妹の捜索が始まるところだった。
私は両親に「勝手に連れ出してごめんなさい」とお詫びした。親たちはこどもたちの収穫を見てお礼を言ってくれたけど、そりゃ心配だっただろうな。捜索中に見つけられたら誘拐犯にされたかもしれない。
「勝手について行っちゃダメ」ってあの子たちが怒られたら申し訳ない。
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