『パラドックス13』 東野圭吾
主人公の刑事、久我冬樹が意識を取り戻したとき、東京は壊滅していた。突如、人々が消滅し、あらゆるシステムが暴走した。無人の街に取り残された10人の男女のサバイバルが始まった。喪失感を克服し、無人の建物に侵入、食料を奪う。この世界を生き抜くため、殺人も含めて、すべての善悪はリセットされた。そんな彼らに台風やインフルエンザが襲いかかる。この世界になにが起きたか、そして彼らの運命は……。
久しぶりに小説に没入。面白かったです。刑事が主人公だけどミステリーではなく、パニック物語です。小松左京の『首都喪失』をちょっと思い出した。だから、ドキドキハラハラしながら読みつつも、ラストはそんなオチ……何ごともなく世界は元通りになるのかな……と思いました。いやいや、そこは東野圭吾さんです。伏線を張り巡らし、きちんと回収して終わります。そしてかなりメッセージ性を感じました。ネタバレになるから<続きを読む>以降で。
おっと、その前に昨日の摂取カロリー
間食:1545.0kcal ポップコーン アイス つくね もも かんぴょう巻き2本 いなり寿司5個
朝食:742.0kcal かつ重
昼食:0.0kcal
夕食:389.8kcal ミルクフランスパン ハム20g レタス15g マヨネーズハーフカロリー大さじ1 からあげ3個
合計:2676.8kcal 摂取超過 1176.8 月間合計: 45475.9 月間平均 2067.1
食べ過ぎ(笑) 検査数値が良かったから緩めた……
もっと下ですよー
作者からのメッセージは「正義とは、あきらめずに生き抜くこと」。パラドックス解消後、あの世界で死んだ人は死に、生き残った人は生きている。つまり世界は変わっちゃって、平行世界ができちゃった気がする。でも、生き抜いた人から見ると、世界を変えたってことなんだな。その意味ではハッピーエンド。しかし、兄が死んだばかりの世界で女子高生にときめいちゃう弟はどうかと(笑)。そして冷静沈着な兄。あなたは文書の英文も読んだはず。なぜそれを仲間に説明しなかったんだろう。この世界で生きる決心をしたから? 仲間を迷わせたくなかったから?
読後にいろんな感情がわき上がってきて、久しぶりに他の人の感想も知りたくなった。ネットでは意外にも賛否両論なんですねー。もっと科学的な展開を期待した人は裏切られた感があるみたい。確かに作者は理系出身だし、科学ネタの作品も多いし。でも私はヒューマンドラマ仕立てで正解だと思う。作者が書きたかったテーマはパラドックスじゃなくてサバイバルだろうし。鉄道システムに関してもちゃんと考証できてた。
兄の「イブ論」に対して批判する人が多い。でも、それを以て作者や作品を批判するってどうかな。確かに作者は登場人物を通じて「イブ論」を書いたけど、それに対して作中の女性たちは答えを出してる。そんな女性たちを書いた人も作者だってことを忘れてませんか。サバイバル作品で成人男女が登場して、食欲・性欲については避けては通れない。そこにきちんと見解を出したという点で見事な処理でした。
どんな苦難に遭ってもくじけずに生きなさい。
そういうメッセージを読み取って、励まされた気がしました。
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