ハコモノとソフト
鉄道コラムの枕にある映画の物語を使ったので、その映画を観ようと思って借りてきた。そのついでに「砂時計」の映画版DVDも。
「砂時計」は原作が少女漫画……いまどき少女漫画っていうの? レディスコミック? まあいいや、マンガです。でも私はまだ原作を読んでない。初見は昼の帯ドラマでした。たまたまテレビをつけたら映像がきれいだったのでそのまま見始めた。で、内容は美男美女が織りなす遠距離恋愛克服ストーリーなんですけどね。物語がしっかりしてた。序盤の主人公のトラウマが、初恋の人に癒されていくという話でね。ドラマは30分×5日×4週×6ヶ月の長さ。だから映画版はかなり省いたストーリーもあるけど、主題が解りやすくなって、よくできてましたよ。
もうひとつ、私が感心したところ。それは、ハコモノを観光資源にするにはソフトウェアが大事だな、ってこと。
この物語の鍵となる場所のひとつが、島根にある「仁摩サンドミュージアム」です。これは地元の鳴砂海岸の砂にちなんだ観光施設で、あの「ふるさと創生資金1億円」で作られた。目玉は「1年分を計る巨大な砂時計」。コンピューター計算で流量を調節して、ぴったり大晦日の24時に終わります。で、元日の0時にひっくり返す儀式があるんです。
これだけだったら、馬鹿なモノ作ったなあ、無駄使いにもほどがある、と批判され、嗤われたかもしれない。ところがそこに「砂時計」ですよ。物語のおかげで全国に知られ、「北の国から」の富良野の如く、ファンの人々が集まる聖地になった。劇中に出てきたミニチュアの砂時計も売れまくっているそうで。「砂時計」というソフトウェアのチカラです。だって俺も行きたいもの!
というわけで、これも汽車旅コラムのネタにしちゃおうと思うのでした。
ちなみに、映画版のほうは冒頭に「年明けの砂時計の儀式」があります。なんだか神聖な気分になりますよ。
左が映画版 中と右がテレビ版。ちなみに同名の韓国ドラマはまったく異なる話です。
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