波王の秋
秋と書いてトキと読む。これは、秋になると米が実り、兵糧が揃うからだそうです。さて、元が三度目の日本侵攻をたくらんでいる。海の民たちの情報を元に水軍を整え、大海原で戦い、長江を遡り、元を叩く。圧倒的な勢力と知りながら、命と引き替えに祖国を守る波王。彼を支援する済州島のナミノオオ、そして現在の佐賀県北部、上松浦水軍。そしてもうひとつ。かつて日本で活躍し、いまは逃れて海に生きる群一族。なぜ戦うのか。彼らにとって祖国を守るとはどういうことか。躍動感のある描写で、北方謙三の国家観が語られます。
「商いで生きる一族だろう、と思っている。(略) だからといって、一族の血を一滴も流さぬというのは、虫が良すぎる」
いまの日本に向けたメッセージに思えます。
「商いで生きる一族だろう、と思っている。(略) だからといって、一族の血を一滴も流さぬというのは、虫が良すぎる」
いまの日本に向けたメッセージに思えます。
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